盤上の夜◆宮内 悠介 (著)
『盤上の夜 』
(創元日本SF叢書) [単行本]
宮内 悠介 (著)
価格: ¥ 1,680
単行本: 283ページ
出版社: 東京創元社 (2012/3/22)
言語 日本語
ISBN-10: 4488018157
ISBN-13: 978-4488018153
発売日: 2012/3/22
商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.6 cm
新年早々ブログをすっかり怠けてしまいました。1月に何も読んでいなかったということではなく、ぼつぼつと読んでいました。
この本は、久しぶりに心が踊った本で、是非感想を書きたいと思いました。これを境にボツボツと書いて行きたいと思います。
この、『盤上の夜』は、東京創元社のはじめた「創元SF短編賞」の第1回で「山田正紀賞」に輝いた表題作とボードゲームにかかる5篇をまとめた短篇集です。
「盤上の夜」:壮絶なお話です。同じ東京創元社の『叫びと祈り』(梓崎優)を思い出しました。すごい緊張感でした。
「人間の王」:チェッカーの王者、チェンズリーのお話です。無理にSF仕立てにする必要はなかったかもしれません。多分、この本の中で一番感動したお話です。
「清められた卓」:麻雀のお話です。『マルドゥック・スクランブル』(冲方丁)のカードゲーム描写を思い起こしました。これもすごい。
「象を飛ばした王子」:古代インドで発生した将棋の原型ゲーム、チャトランガを創りだしたが釈尊の息子、羅睺羅であるとしたお話。大好きなお話です。
「千年の虚空」:これが一番フィクションぽいお話です。将棋の完全解が出てきます。また、この本の基底を流れているテーマ、抽象と具象、ゲームと現実の混淆が一番表に出てきます。
「原爆の局」:題名の通りの内容ですが、後日談的なまとめの役割を置いてしまったので、ややわかりにくくなってしまっているようです。
『サラの柔らかな香車』(橋本 長道)で、上手く書けませんが、風景画のように盤面を見る描写があったと思いますが、更に合理理的に、徹底して、展開していった極図のように思えます。
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