« 南極点のピアピア動画◆野尻 抱介 (著) | トップページ | 究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動◆機本 伸司 (著) »

2012.04.01

ふがいない僕は空を見た◆窪 美澄 (著)

”ふがいない僕は空を見た”

『ふがいない僕は空を見た』
[単行本]
窪 美澄 (著)
価格: ¥ 1,470
単行本: 232ページ
出版社: 新潮社 (2010/07)
ISBN-10: 4103259213
ISBN-13: 978-4103259213
発売日: 2010/07
商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 2.2 cm

 第24回(2011年) 山本周五郎賞受賞
 第8回(2009年) R-18文学賞受賞

 山周賞にふさわしい、とても良い本でした。
 あけすけなセックス描写があり、バスの中で読んでいて恥ずかしいと思いましたが、読後感が良く、色々な問題と傷つきやすい心を抱えながら前を向いて歩き続ける人たちに励まされる気持ちになりました。

「ミクマリ」
 高校生の「斉藤卓也」は、コミケで知り合った主婦「あんず」とコスプレでのセックスに耽溺していたが、同じ高校の女生徒「松永」から告白され、「あんず」との関係を解消しようとするが、そこで初めて「あんず」を愛している自分に気づく。
「世界ヲ覆ウ蜘蛛ノ糸」
 「あんず」こと「岡本里美」視線のお話。小さいころいじめられていた「里美」は、人付き合いがうまく出来ず、大学時代には男性からのセックスの要求を拒むことが出来ず、就職後は仕事がうまくできないため孤立してしまう。そんな時、ストーカー気味の男「慶一郎」に求婚され、結婚するがなかなか子供ができないため、姑の勧めで不妊治療に通っている。コミケで「卓也」と知り合うが、隠しカメラを置いた「慶一郎」に二人に関係を知られ…。
「2035年のオーガズム」
 「卓也」を好きな「松永七菜」視線のお話。子供の頃から勉強ができ、T大に現役で合格した兄が突然失踪し…。
この話の「七菜」の強さが好きです。
「セイタカアワダチソウの空」
 「卓也」の友人「福田良太」視線のお話。子供たちが万引きをするのが普通の事のように荒れている「団地」に住んでいる「福田」は、コンビニのアルバイトでぼけてしまった祖母と二人の生活を支えていた。父親はなく、母親は男と別なところに住んでいる。絶望的な生活の中、コンビニ先輩で元進学塾の講師の「田岡」が「福田」に勉強を教えてくれることになり…。
「花粉・受粉」
 「卓也」の母親視線のお話。助産院を営み、女で一つで育ててきた「卓也」が「あんず」とのことで大きな傷をおってしまい、自分自身も助産院の多忙な仕事で身を削られながら前を向いて懸命に生きていく姿に感動します。


|

« 南極点のピアピア動画◆野尻 抱介 (著) | トップページ | 究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動◆機本 伸司 (著) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ふがいない僕は空を見た◆窪 美澄 (著):

« 南極点のピアピア動画◆野尻 抱介 (著) | トップページ | 究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動◆機本 伸司 (著) »