月と蟹◆道尾 秀介 (著)
『月と蟹 』
[単行本]
道尾 秀介 (著)
価格: ¥ 1,470
単行本: 333ページ
出版社: 文藝春秋 (2010/09)
ISBN-10: 4163295607
ISBN-13: 978-4163295602
発売日: 2010/09
商品の寸法: 19 x 13.4 x 3 cm
月と蟹というと、クリスマス島の蟹が1年に1度大潮の日に一斉に海にやってきて排卵・受精するのをNHKの番組で見たなあという全く関係のないことが思い出されます。
大潮の日は満月か新月になります(潮の干満は太陽・月・地球の重力によって起こっているので、3つが一直線上になる新月か満月の日に潮の干満が一番大きくなります)。潮の干満が大きければ、一番沖まで産卵に行くことが出来、一番有利だというのがこの日が選ばれる理由だと思います。潮の流れが大きければ、それだけ卵の移動距離も大きく、子孫を残しやすいのでしょう。
人の生理が1月に1回なのも、海の中に棲んでいた生物だった頃の遺伝が残されているのではないでしょうか。
そう思うと人も蟹も、同じ地球の生んだ生物の一つなのだなあと変な感想を持ったりします。
閑話休題、この本の感想ですが、僕は道尾さんに対して謂われのない「信頼感」を抱いています。道尾さんは暴力を受けているような子供を描くこともありますし、SEXも描くことがありますが、本当にひどいことになるところまでは描かないという信頼です。
さて、この本では・・・。
道尾さんにビックリするようなミステリを書いてもらいたい気持ちはありますが、道尾さんの向かうべきところは東野圭吾さんではなく、伊坂幸太郎さんではないかと思います。
ミステリの枠にとらわれず、もっといろいろなところにチャレンジしてもらいたいと思います。
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コメント
この本で直木賞を受賞されました。
道尾さんおめでとうございます。
ミステリではないこの本で受賞されたことは良いことなのか、よく解りませんが、ミステリも書き続けてください。
投稿: t-saito | 2011.01.18 08:58