ユニクロの宣伝、
冬だ、冬だ、どこもかも冬だ… がすごくかっこいいとNeと話をして、ぐぐってみると高村光太郎の『冬の詩』という詩の冒頭部分だった。
冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見わたすかぎり冬だ
再び僕に会ひに来た硬骨な冬
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、僕の手を握れ
Neが「高村光太郎と言えば『レモン哀歌』だよね」とのたまう。
青空文庫で探してみると
レモン哀歌
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう
すごいですね。言葉の持つ力を見せつけられたような経験でした。
(昔読んでいるはずなんですが・・・少しは成長したということでしょうか)
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