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2009年5月

2009.05.28

闇の華たち◆乙川 優三郎

闇の華たち

『闇の華たち』
乙川 優三郎 (著)
価格: ¥ 1,470
単行本: 191ページ
出版社: 文藝春秋 (2009/04)
ISBN-10: 4163280901
ISBN-13: 978-4163280905
発売日: 2009/04
商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.4 cm

 乙川さんは最近発刊される本が少なく、ちょっと残念。
 この本は短編集ですが、収録されている6編のうち、「花映る」「男の縁」「悪名」の3編が既読。
 初読は「笹の雪」「面影」「冬の華」ともっとたくさん新しい話が読みたいと思います。
 「笹の雪」はゆれる女性の心理を通して武家の「家」について描かれています。
 「面影」は桜田門外の変にかかわった武士の目から、終わりつつある武家社会の哀惜を、
 「冬の華」では、一人息子を本家の養子に出さねばならなかった医師夫婦の葛藤と医学に一生を捧げた人の美しさ、生きようとする人の心を描きます。「面影」「冬の華」は傑作です。
 「男の縁」「悪名」も代表作的な短編で、乙川さんの魅力が溢れた本ではありますが、6編中3編が既に他の短編集に収録されており、以前から乙川さんを読んでいる人は購入をためらうのではないでしょうか。

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2009.05.27

栗本薫さんのご冥福をお祈りします。

自分はパロに帰還した50巻くらいで読まなくなってしまいましたが、126巻書き続けた「グイン・サーガ」を未完のまま亡くなったのは、ファンにとってもご本人にとってもとても残念なことでした。
グイン・サーガを最初に読んだのは大学生の時代だったと思います。
静岡から焼津へ向かう電車の中で、あまりにも面白くて、駅のベンチでそのままその本の最後まで読んだのが、つい先日のように思い出されます。
自分の中で、すごく大きなものがなくなってしまったように感じます。
心からご冥福をお祈りします。

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2009.05.26

【予告】インサイト日記

 我が家のニッサン「セレナ」も早いもので13年目の車検を6月に迎えることになった。
 モスグリーンの車体の後部ワイパーやガラス周辺のゴムに本物のコケが生えてきて、エコっぽい車ではあるが、現在国会審議中の追加経済対策で対象のエコカーに乗り換えれば25万円をお上からいただけるらしい。
 23日に家族全員で、ホンダ(CARS静岡)とトヨタ(ネッツ静浜)に行ってインサイトとプリウスに試乗し、24日にインサイト(G、ナビ・サイドエアバック付き)を申し込んできた。
 7月上旬納車ということだが、11年ぶりの新車購入、しかもハイブリッド車ということで、「読書」「釣り」に続いて「インサイト」日記をはじめていきたいと思う。

 プリウスとインサイトだが、簡単に感想とインサイト選択の理由を書くと、
(1)3ナンバーと5ナンバーの違い
 明らかにプリウスの方が大きく、力も強い。静粛性や居住性も上だと思う。
 しかし、大きく、慣れないためバックが難しく(Ak・Tk)取り回しが悪く感じられてしまった。
(2)値段に大きな差はない。
 ちょっとプリウスの方が高いかな?
(3)納期の差
 流石プリウス、10月納車といわれた。6月の車検切れ以降10月まではセレナに乗るなとのこと。
 (車検切れのセレナはディーラーが廃車処分)代車は無理(家では必要ないが・・・)
 インサイトは、何とか6月末に納車したいが玉がないとのことだった。
(4)インプレッション
 インサイトは、電動アシストの自転車(トヨタ談)ではっきりエンジンが主なのでこれまでの車とあまり差がない。
 エアコンをがんがん回していれば、アイドリングストップもしないようだ。
 (アイドリングストップからエンジンがかかるとはっきりわかる)
 プリウスはスタートは完全に電気自動車。びっくりするくらい静か。踏み込むとエンジンがかかって加速するが、すごく力がある。小型のファミリーカーばかり乗ってきた身には驚異的な力感。
 エンジンがかかる感じもスムースで違和感はなかった。

 自分としては、これを逃すと3ナンバーを買う機会は一生無いと思われ、値段に大差ないならプリウスにしたかったのだが、駐車場が狭いこともあり、Akの「断然インサイト」の発言を覆すことが出来なかった。
 これから、インサイトの良さを日記に書いていきますが、新型プリウスはめちゃくちゃ良い車だと思います。
 デザインは自分的にはちょっとカッコ悪い感じはしますが、買える人がうらやましいです。
 (インサイトのデザインはめちゃ格好いいです)

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2009.05.25

5/23の釣り

先週は天気が悪いだろうと、朝起きなかったため失敗しましたが、今週はちゃんと4時頃に起床。
まだ、釣具屋が6時開店だろうとのんびり清水に向かいます。
清水の釣具屋で様子を聞くと、「駒越で釣れ始めているらしい」とのこと。
良い情報をくれるときの釣具屋の店主の顔は、とても嬉しそうでこちらも嬉しくなってきます。
駒越は、予定していた入り口に車止めがあり、違う入口を捜さなければなりませんでした。
こちらの入り口は、駐車場に無理があり(車両進入禁止を無視して入れば広い空き地はあるのですが・・・)、申し訳ないと思いながら道の隅に駐車します。
やや波があり、にごりも強いようです。ちょっと釣りにくそうな感じ。
一応、1投目からあたりがありましたが、いかにも鈍重な感じ。あがったのはイシモチでした。嬉しくない。
さらに、4色くらいに投げると、あたりがありますが、巻き上げると針が無くなっています。フグです。
もう1投しましたが、仕掛けがダメにされるばかりなので、早めに南に移動します。
南の一番広い浜では、ダメでした。アタリなし。
前回に続いて、波打ち際で錘を取られてしまい、終了しました。
続けて同じミスをするのは恥ずかしい。反省です。

イシモチは、日曜日の昼ご飯に焼いて食べました。
キュウセンベラやクロダイなどに比べると落ちることは確かですが、美味しく食べられました。

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2009.05.24

鷺と雪◆北村 薫

鷺と雪

『鷺と雪』
北村 薫 (著)
価格: ¥ 1,470
単行本: 261ページ
出版社: 文藝春秋 (2009/04)
ISBN-10: 4163280804
ISBN-13: 978-4163280806
発売日: 2009/04
商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.2 cm

 北村薫さんの新作です。
 ベッキーさんのこのシリーズ、昭和初期の時代に生きる令嬢「花村英子」さんとそのお抱え女性運転手ベッキーさんこと「別宮みつ子」さんがいわゆる「日常の謎」を解き明かしていくものです。
 北村さんはミステリィという基本を抑えながら、膨大な資料を基に当時の社会・風俗を描き出しています。
 今回は、ラストにあの事件を持ってきています。
 美しい。すばらしく美しい構成です。
 久しぶりに読んでいて指先がしびれて冷たくなってくるような感動を味わいました。
 

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テメレア戦記II 翡翠の玉座◆ナオミ ノヴィク

テメレア戦記II 翡翠の玉座

『テメレア戦記II 翡翠の玉座』
ナオミ ノヴィク (著), 那波 かおり (翻訳)
価格: ¥ 1,680
単行本: 525ページ
出版社: ヴィレッジブックス (2008/12/20)
ISBN-10: 4863321147
ISBN-13: 978-4863321144
発売日: 2008/12/20
商品の寸法: 19 x 13.6 x 3.6 cm

 テメレアとローレンスは中国に行くことになります。
 解説を読むと、この時期は「阿片戦争」前夜なのですね。
 世界史の中でも最低の汚点の一つである「阿片戦争」について、英国人であるローレンスはどう考えるのか興味があったのですが、あまり触れられてませんでした。
 この世界は、現実の世界とは違うのですからまあいいのですが・・・。
 ドラゴンの人権より、中国人の人権は・・・。

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2009.05.22

退出ゲーム◆初野 晴

退出ゲーム

『退出ゲーム』
初野 晴 (著)
価格: ¥ 1,575
単行本: 262ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/10/30)
ISBN-10: 4048738984
ISBN-13: 978-4048738989
発売日: 2008/10/30
商品の寸法: 19.3 x 13 x 2.3 cm

 「初野晴」さん、初読みです。
 素敵な作家に出会ってしまいました。この本はよい。

 「青春」「学園」「ミステリィ」ということになると思いますが、ひとことで言うと「文化部」ミステリィです。
 日常の謎系のミステリィですが、ネタが「文化部」系。楽しめます。

 結晶泥棒・・・化学部、○○部
 クロスキューブ・・・パズル、○○
 退出ゲーム・・・演劇部
 エレファンツ・ブレス・・・発明部、美術?

 発明部の「オモイデマクラ」については、是非欲しい!
 (夢で見たいほど思い入れの強い場面が浮かんでこないのが残念ですが・・・)
 最後は社会性の高い問題まで取り上げていきます。素晴らしい。
 とてもお勧めの1冊です。

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2009.05.18

真夜中のフーガ◆海野碧

真夜中のフーガ

『真夜中のフーガ 』
海野碧 (著)
価格: ¥ 1,785
単行本: 356ページ
出版社: 光文社 (2008/10/22)
ISBN-10: 4334926355
ISBN-13: 978-4334926359
発売日: 2008/10/22
商品の寸法: 19 x 13 x 3 cm

 『水上のパッサカリア』、『迷宮のファンダンゴ』と続いてきたシリーズ。
 岡田、紫野などの仲間を前面に出してきたことで、少し感じが変わっているかな?
 こういうハードボイルドを読む層の問題なのだろうが、「近頃の若い者は・・・」的なニュアンスが垣間見られて、ちょっと気になる。また、主人公の「人を信じない」生き方が作品の暖かさを拒んでいるように思える。
 『木枯らし紋次郎』や沢崎さんのような、「自分にはかかわりない」と言いながらどうしようもなく人と結びついていったしまう弱さが主人公にはないようだ。
 そのため、愛した女性とも初恋の女性とも母とも空疎な関係しか築いていけないという悲劇を生んでいる。
 同情はするが、自分の掘った穴に落ちているだけなので、まわりも助けようとしないのだろう。

 面白いシリーズだったが、もっと主人公に魅力があれば・・・と残念に感じます。
 

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2009.05.15

テメレア戦記〈1〉気高き王家の翼◆ナオミ ノヴィク

テメレア戦記〈1〉気高き王家の翼

『テメレア戦記〈1〉気高き王家の翼』
ナオミ ノヴィク (著), Naomi Novik (原著), 那波 かおり (翻訳)
価格: ¥ 1,680
単行本: 438ページ
出版社: ヴィレッジブックス (2007/12)
ISBN-10: 4863325967
ISBN-13: 978-4863325968
発売日: 2007/12
商品の寸法: 19 x 13.6 x 3 cm

 なかなか面白いファンタジーを見つけました。
 ナポレオン時代のイギリスが舞台です。この世界では、ドラゴンが人に飼い慣らされており、その希少性から主に軍で使われているようです。
 ドラゴンには高い知性があり、生まれてすぐに人語を話し、自分のパートナーを選び出します。
 主人公のローレンスは、海軍で艦長を務めていた将校なでしたが、フランス軍から戦利品として勝ち取った竜の卵から航海中に生まれてしまった竜「テメレア」に担い手(パートナー)に選ばれてしまったため、大変な苦労をすることになります・・・。
 テメレアをはじめとする竜たちがとてもかわいらしく、すごく楽しんで読めました。
 お勧めです。

 知性がある竜のいる世界で、キリスト教はどういう感じだったのでしょうか?
 本書では触れられていませんが、とても興味があります。

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2009.05.13

屋上ミサイル◆山下貴光

屋上ミサイル

『屋上ミサイル』
(このミス大賞受賞作)
山下貴光 (著)
価格: ¥ 1,470
単行本: 381ページ
出版社: 宝島社 (2009/1/10)
ISBN-10: 4796667776
ISBN-13: 978-4796667777
発売日: 2009/1/10
商品の寸法: 19 x 12.6 x 3 cm

 このミス大賞で評価が割れたというのも頷ける本。
 一言で言うと、牽強付会。
 これはこれで良いと思う人と、納得できないと思う人。別れますよね。
 個人が読む分には、笑って済ませればよいのでしょうが、賞の選者としては、だめ出しするのもありでしょう。
 色々なところで伊坂さんのテイストを感じますが、伊坂さんは絶対こんな牽強付会はしないですよね。

 自分としては、そんなことより「ミサイル」を持ち出しながら、それが全然生きていない構成に不満。

 読ませる力はある作家さんだと思います。次の本を読むのが楽しみです。

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2009.05.12

5月9日、10日の釣り

ゴールデンウィークは、掃除や洗濯など家事に追われて、今一つ釣りに行くまで行きませんでしたが、9日の午後に大浜海岸に、10日に焼津和田浜へ行ってきました。
大浜は午後3時頃から。エサも買わず、マルキューのバイオワームで投げましたが、まったく反応無し。
天気が良く、若干風がありましたが、兎に角釣りは良い。

10日は午前6時半頃焼津石津堤に到着。駐車場がない(!)ため、和田浜へ移動。
和田浜はとても綺麗になっていました。風もなく、釣り日和でした。
駐車場正面あたりに数人の釣り人がいたので、西側に入ったのですが、1投目にフグの3連。
大きく東に移動して、突堤の先の浜のテトラの手前で投げたところ、1投目にメゴチ(小)、3投目にキス(16cm)、しばらく投げてメゴチ(小)1を追加しただけで、1~2色のかけ上がりで錘をロストしてしまい終了。

早く終わったので、焼津港の西側の灯台(一番高い堤防)や浜当目堤など色々見て回りました。

来週末は清水ですね。

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2009.05.08

流れ行く者―守り人短編集◆上橋 菜穂子

流れ行く者―守り人短編集

『流れ行く者―守り人短編集』
(偕成社ワンダーランド 36)
上橋 菜穂子 (著), 二木 真希子 (イラスト)
価格: ¥ 1,575
単行本: 275ページ
出版社: 偕成社 (2008/4/15)
ISBN-10: 4035403601
ISBN-13: 978-4035403609
発売日: 2008/4/15
商品の寸法: 21.2 x 15.4 x 2.8 cm

 『精霊の守人』が(ジブリじゃ無かったけど)アニメ化されて、今度は『獣の奏者』がアニメ化されている上橋さんですが、この本は「守人シリーズ」の短編集です。
 アニメは見ていないのでどのくらいのところまで進んでいるのかわかりませんが、広大な上橋ワールドで繰り広げられる壮大な叙事詩である「守人シリーズ」の中で、自分が一番すきなのはバルサが故国カンバルに戻って、過去の遺恨を清算する『闇の守人』です。
 この短編集は、カンバルを追われたバルサがジグロとともに成長していく間のいくつかの物語になります。
 上橋さんの中で「守人」の世界がすごくリアルに出来上がっているのだなあ・・・。と納得できる内容です。
 とても良い本です。

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2009.05.07

富子すきすき◆宇江佐 真理

富子すきすき

『富子すきすき 』
(単行本)
宇江佐 真理 (著)
価格: ¥ 1,575
単行本: 248ページ
出版社: 講談社 (2009/3/19)
ISBN-10: 406215367X
ISBN-13: 978-4062153676
発売日: 2009/3/19
商品の寸法: 19.2 x 12.6 x 2.8 cm

 安定しています。
 とても面白かった。
 宇江佐さんは「恋」や「ときめき」を描いてもらいたいと、以前ここで書きました。
 それはそれで変わっていないのですが、この本のように人生の悲哀を描く力量も見せてもらいました。
 流石です。前言は撤回すべきなのかもしれません。

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2009.05.05

海王〈上〉◆宮本 昌孝

海王〈上〉

『海王〈上〉』
宮本 昌孝 (著)
価格: ¥ 2,310
単行本: 540ページ
出版社: 徳間書店 (2009/1/21)
言語 日本語
ISBN-10: 4198626642
ISBN-13: 978-4198626648
発売日: 2009/1/21
商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.6 cm

 『剣豪将軍義輝』を読み終えて、やっとこの本にたどり着くことができましたが、それでよかったと思います。
 『剣豪』は、長すぎる感じはありますが、「傑作」の部類に入ると思います。
 宮本さんは『タリオン・・・』からして長編作家で、どこまでも長く書いていくことのできるタイプの人ではないかと思います。平気で後半の押し詰まったところで新しい登場人物を入れてきたり、伏線を引いたりしていながら、結局何も無いまま終わってしまったりします。(いや、伏線の回収や、その人が現れる意味を自分が理解できなかっただけだとは思います。わかる人にはわかっているのでしょうが、サルにもわかるように書いてくれるとうれしいというだけで・・・)
 この本も、『剣豪・・・』の続きだと素直に考えて読むべきだと思います。
 あえて言えば、『剣豪』を読んでないで、この本を読んでもダメです。 是非、『剣豪・・・』を読んで、続けてこの本を読んでもらいたいと思います。
 (amazonのカスタマーレビューが思いのほか悪いので、つい擁護してしまいました。自分の評価は下巻を読むまでは保留です)

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