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笑うヤシュ・クック・モ◆沢村 凛

笑うヤシュ・クック・モ

『笑うヤシュ・クック・モ』
沢村 凛 (著)
価格: ¥ 1,785
単行本: 316ページ
出版社: 双葉社 (2008/11)
ISBN-10: 4575236438
ISBN-13: 978-4575236439
発売日: 2008/11
商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.8 cm

 読み始めるのに時間がかかってしまいましたが、とても面白いお話で一気に読んでしまいました。
 「ヤシュ・クック・モ」はマヤ文明の王様です。
 沢村さんは前作「黄金の王白銀の王」が異世界ファンタジーだったため、マヤ文明を舞台にしたファンタジーかと思いきや、現代の東京を舞台にしたミステリィでした。
 10年ぶりに同窓会で再会した大学の同級生が、ある理由で入れ違ってしまった使い捨てカメラに写っている女性を捜すというお話ですが、同級生5人(主人公(無職)、フリーター、コンビニ店主、名古屋の会社員(離婚中)、大学講師)それぞれがなかなか特色があって、良い味を出しています。
 ラストはバットエンドなのですが、特に「停滞」していた主人公が前向きに動き出すことで明るく終わっています。
 「笑うヤシュ・クック・モ」は人捜しの重要なアイテムなのですが、とってもインパクトが強かったので、もっと良い使い方があったのでは・・・。マヤ文明についても、もっと強くお話に結びつけたら良かったのでは・・・。と思います。

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短劇◆坂木 司

短劇

『短劇 』
(単行本)
坂木 司 (著)
価格: ¥ 1,785
単行本: 340ページ
出版社: 光文社 (2008/12/17)
ISBN-10: 4334926460
ISBN-13: 978-4334926465
発売日: 2008/12/17
商品の寸法: 18.8 x 11.8 x 2.4 cm

 装丁がしゃれています。
 ショートショートの各話の扉が少しずつ違っていたりして(カーテンが徐々に閉まる)。

 ショートショートは読む人を選ぶのでしょうか、特にコメントはありません。
 只、いつもの坂木さんの本の中では絶対出てこないような暴力や倒錯が出てくるのには驚きました。

 いつもながら、藍色さまのブログ「粋な提案」のこの記事を見て読みました。ありがとうございました。

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豪華客船エリス号の大冒険◆山口 芳宏

豪華客船エリス号の大冒険

『豪華客船エリス号の大冒険 』
山口 芳宏 (著)
価格: ¥ 2,100
単行本: 348ページ
出版社: 東京創元社 (2008/11)
ISBN-10: 4488024394
ISBN-13: 978-4488024390
発売日: 2008/11
商品の寸法: 19.2 x 12.2 x 3.2 cm

2007年に鮎川哲也賞を受賞した『雲上都市の大冒険』の続編。
前作の翌年、昭和28年が舞台になります。
真野原、荒城の探偵2枚看板はますます光り輝き、殿島のボケも良い味を出しています。
そしてこの本ではいよいよ二人の永遠のライバル夜叉姫が登場。
前作より、楽しんで読むことができました。
鮎川哲也賞というと、つい本格か、日常の謎か・・と構えて読んでいたのかもしれません。
次の本、楽しみです。


ドゥーゼン(オーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン) ジャック・フットレルのミステリィに登場する名探偵
ルパン 辻 真先の迷犬ルパンシリーズに登場する犬

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儚い羊たちの祝宴◆米澤 穂信

儚い羊たちの祝宴

『儚い羊たちの祝宴 』
米澤 穂信 (著)
価格: ¥ 1,470
単行本: 253ページ
出版社: 新潮社 (2008/11)
ISBN-10: 4103014725
ISBN-13: 978-4103014720
発売日: 2008/11
商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.6 cm

 「バベルの会 年代記」という副題(英題)だが、あまりとらわれずに、普通にちょっと関連づけをした短編集です。 どちらかと言うと、「儚い羊たち」が主人公であるということがシリーズの特徴でしょうか。
 米澤さんは、大好きな作家さんの一人です。今回もあっと言う間に読んでしまった感じ。
 次回作にさらに期待したいと思います。

 以下、若干のネタバレがあります。未読の方は読まないでください。

「身内に不幸がありまして」
 桜庭さんの「砂糖菓子の・・・」に出てきたあれですね。
「北の館の罪人」
 面白い。色の話は短編ではもったいない?
「山荘秘聞」
 う~ん。主人公の年齢が・・・。
「玉野五十鈴の誉れ」
 この本では一番面白かった。
「儚い羊たちの晩餐」
 厨娘というのは面白い。こっちをメインにして、シリーズなど考えられないでしょうか。

 折竹孫七 小栗忠太郎の秘境冒険小説の主人公
 ジーヴス P・G・ウッドハウスのユーモア小説?に登場する執事
 イズレイル・ガル ギルバート・K.チェスタトン の『ブラウン神父の童心』 の中の「イズレイル・ガウの誉れ」から

 いずれも読んでいません。
 読まなきゃいかんか。。。

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名探偵クマグスの冒険 ◆東郷 隆

名探偵クマグスの冒険

『名探偵クマグスの冒険 』
東郷 隆 (著)
単行本: 267ページ
出版社: 集英社 (2008/09)
ISBN-10: 4087712605
ISBN-13: 978-4087712605
発売日: 2008/09
商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 1.6 cm

 むかし荒俣さんを読んで、南方熊楠さんの名前だけは知っていましたが、東郷さんの手で名探偵としてよみがえりました。
 日本でたぶん一番有名な博物学者である熊楠氏のイギリス留学時代を取り上げ、文明とオカルトが共存している時期の霧深いロンドンを舞台に、伝説のクリーチャーをキーにしながら、合理的な推理が展開されます。
 東郷さんは初めて読みましたが、当時のイギリスの風俗や、オカルト的な事象へのうんちくなど大変博識な方で、若い頃の自分なら飛びついたかもしれません。
 今は残念ながら興味の対象が若干ずれてきてしまっていますが・・・。

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覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪◆打海 文三

覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

『覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪 』
打海 文三 (著)
価格: ¥ 1,890
単行本: 483ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/10/31)
ISBN-10: 4048738941
ISBN-13: 978-4048738941
発売日: 2008/10/31
商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 3.4 cm

 打海さんが一昨年なくなっているので、「未完」の本になります。
 当初より、「裸者と裸者」、「愚者と愚者」そして「死者と死者」の3部作を予定していたものを、第3部の題名を変更して「覇者と覇者」にしたということです。この第3部も下巻の中ごろまで書かれており、最後のまとめが読めないのは残念ですが、致し方ないことです。
 末尾の解説にもありましたが、題名を変更したということは明るいラストを予定していたのではないでしょうか。
 日本を舞台にした内戦もの、はたしてそんなことが起こりうるのか、リアリティが出せるのか疑問でしたが、打海さんは僕の心配をものともせず、未完でありながら金字塔的傑作をものにしていると言って良いと思います。
 今後同様のシチュエーションの作品が現れることもあるでしょうが、多かれ少なかれこの作品の影響を受けないで書くことはできないと思われます。
 本の最後が「未完」となっている本は初めて読んだ気がします。打海さんのご冥福をお祈りいたします。

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巣立ち お鳥見女房◆諸田 玲子

巣立ち お鳥見女房

『巣立ち お鳥見女房 』
諸田 玲子 (著)
価格: ¥ 1,575
単行本: 246ページ
出版社: 新潮社 (2008/11)
ISBN-10: 4104235113
ISBN-13: 978-4104235117
発売日: 2008/11
商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.2 cm

 お鳥見女房のシリーズもこの本で綺麗にまとまっており、ここでピリオドを打つのが適切なような気がします。
 もし、今後このシリーズが出ても読むべきかどうか・・・。
 それほど、綺麗にハッピーエンドで終わっています。

 出来れば、アイシールド21のように、完璧に終わっていたのにわけのわからない続け方はしないでもらいたいとは思います。

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噺まみれ 三楽亭仙朝

噺まみれ 三楽亭仙朝

『噺まみれ 三楽亭仙朝』
和田 はつ子 (著)
価格: ¥ 1,575 (税込)
単行本: 290ページ
出版社: 小学館 (2008/7/18)
言語 日本語
ISBN-10: 4093862249
ISBN-13: 978-4093862240
発売日: 2008/7/18
商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.8 cm

 和田はつ子さんは初読みです。
 三遊亭圓朝をモデルにした落語家が謎を解くミステリー

 落語ミステリー関係
 大倉崇裕さんの本の感想
 オチケン!
 やさしい死神
 七度狐
 愛川晶さんの本の感想
 道具屋殺人事件 
 芝浜謎噺

 圓朝関係
 円朝芝居噺 夫婦幽霊 辻原登
 

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平成大家族◆中島 京子

平成大家族

『平成大家族』
中島 京子 (著)
価格: ¥ 1,680 (税込)
単行本: 301ページ
出版社: 集英社 (2008/2/5)
ISBN-10: 4087712036
ISBN-13: 978-4087712032
発売日: 2008/2/5
商品の寸法: 19.2 x 14 x 3.2 cm

 大家族といっても、当主緋田龍太郎、妻春子、春子の母タケ、長男克郎の4人家族に、長女逸子、その夫柳井聡介、その子さとるの3人が居候することになり、さらに離婚して年下の経済力のない芸人の子を身ごもっている次女友恵が帰ってきて8.5人という感じですか。自分の子供時代は18坪の家に7人で住んでいましたからそうかわりませんが・・・。
 さて、この家族は、タケは老人性痴呆症、克郎は引きこもり、さとるは転校によるいじめ、友恵はシングルマザー聡介は事業失敗による自己破産とそれぞれに平成的な問題を抱えており、各章を視点で変えて描くことで問題を明確にし、それなりに明るい解決の糸口を見つけ出していきます。
 というと、硬い本みたいですが、全然逆で全体にユーモアにあふれていて、楽しい本です。

 そんな中特筆したいのは、タケを主人公に据えている「時をかける老婆」の「・・・それで後ろを振り返ったんだよ。そうしたら、その子は、春子じゃなかったんだよ」のエピソードはすごいです。ユーモアあふれるお話の中で、突然真黒な穴にぶち当たってしまいました。
 先日、母親が軽度の痴呆症になって、妻との関係が急激に悪くなって困っているという話を聞きましたが、人の心の弱い部分がが痴呆症とともにあらわれてしまうことがままあるようです。
 結局このお話では、笑い話で終わっているのですが、自分たちのこれからのことを考えると、笑ってばかりもいられない気持ちになりました。

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チルドレン◆伊坂 幸太郎

チルドレン

『チルドレン』
(講談社文庫)
伊坂 幸太郎 (著)
価格: ¥ 620 (税込)
文庫: 347ページ
出版社: 講談社 (2007/5/15)
ISBN-10: 4062757249
ISBN-13: 978-4062757249
発売日: 2007/5/15
商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm

 Akによると、陣内を許容できるかどうかがこの本の評価の分かれ目なのだそうです。
 確かに、陣内はクセの強いキャラクターです。陣内に引っかき回されていると言ってもよいと思います。
 しかし、この見事に独善的なキャラクターに惹かれてしまうのは確かです。

 この本は、きちんとしたミステリーになっています。
 今まで読んだ伊坂作品は、あまりミステリーぽくなかったので、逆に違和感があるほどです。
 読みやすく、とても良い本ではないでしょうか?

 チルドレンⅡでの陣内のセリフ
 「おれたちは奇跡を起こすんだ」
 「駄目な少年は駄目なんだろ。あんたたちはそう言った。絶対に更生しなってな。地球の自転が止まることがあっても、癌の特効薬ができることがっても、スティーブン・セガールが悪役に負けることがあっても、非行少年が更生することはない。そう断言した」
 「それをおれたちはやってみせるんだよ」
 「おれたちは奇跡をやってみせるってわけだ。ところで、あんたたちの仕事では、奇跡は起こせるのか?」
 そして、ものすごくクールに奇跡を起こしてみせる陣内。しびれます。

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平成20年度下半期 直木賞候補作

かなり遅くなってしまいましたが、覚えとして書いておきます。

恩田 陸(おんだりく) 「きのうの世界」(講談社)
北 重人(きたしげと) 「汐のなごり」(徳間書店)
天童荒太(てんどうあらた) 「悼む人」(文藝春秋)
葉室 麟(はむろりん) 「いのちなりけり」(文藝春秋)
道尾秀介(みちおしゅうすけ) 「カラスの親指」(講談社)
山本兼一(やまもとけんいち) 「利休にたずねよ」(PHP研究所)

 全然読んでいない。
 なんか、平均年齢が高いですね。

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箱根駅伝

 三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を読んで以来、正月は箱根駅伝を見て過ごすようになってしまいました。
 駅伝初心者で、昨年3チーム、今年1チームの途中棄権がありましたが84回の歴史で12チームしか棄権をしていないというアナウンスにびっくりしました。それだけ各校が気持ちを載せてたすきをつないできたということでしょうか・・・。
 今年は5区の柏原くんが1年生ながら箱根駅伝の新たな伝説となるような快走を見せてくれました。この5区で昨年途中棄権した順天堂大学の小野くん(4年生)は今年はキャプテンを務め、5区では柏原くんに続く良い記録で雪辱を果たしたということです。順天堂大学は第1走者からブレーキがかかってしまい、やや残念な結果でしたが、小野くんは賞賛に値すると思います。
 今年の棄権は8区の城西大学でした。8区の石田くんの故障による棄権で黄色い襷で走り始めた9区の伊藤くんは、モチベーションを維持して9区を区間賞を28秒上回る記録で走り抜けたということです。
 走っている選手たちを見て、若さ、ひたむきさを眩しく感じた2日間でした。

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あけましておめでとうございます。&2008年ベスト10

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 さて、2008年のベスト10をあげますが、その前に、

 2008年のベストは 
 映画 「パコと魔法の絵本
 楽曲 「キセキ」GReeeeN
 です。大好きです。

 本は130冊ちょっと読むことができましたが、2007年のほうが良い本をたくさん読めたと思います。
 2007年のベスト10は「一瞬の風になれ」「サクリファイス」が落ちたほどの高レベルだったのですが・・・。

 (1)「映画篇」 金城 一紀
 (2)「スロウハイツの神様   」 辻村深月
 (3)「ラットマン」 道尾秀介
 (4)「沈黙のフライバイ」 野尻 抱介
 (5)「百瀬、こっちをむいて。」 中田 永一
 (6)「詩羽のいる街」 山本 弘
 (7)「風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記」 小川 一水
 (8)「イトウの恋」  中島 京子
 (9)「ある日、アヒルバス」 山本 幸久
 (10)「神様のパラドックス」  機本 伸司

 辻村 深月さんの「ロードムービー」が良かったのですが、「スロウハイツ・・・」とかぶったのであげませんでした。

 2009年も良い本をたくさん読めると良いのですが・・・。
 皆様も良いお年を。

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