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2008年1月

2008.01.27

間違えました。反省。

 乙一さんの『小生物語』を読み始めたところ、ジャンプ・ノベル出身の直木賞作家がいるとのことでググってみると、村山由佳さんでした。
 そこでほかにもいるのかと調べると、この記事で問題解決。桐野夏生、山本文緒、唯川恵、村山由佳、角田光代とそうそうたるメンバーがライトノベル出身らしい。
 なるほど、自分の不明を恥じるばかり。「徘徊の記録」の「ぬぬに」さまありがとうございます。
 とはいえ、受賞者のラノベ活動の中心はコバルト系で集英社が強いようで、富士見(角川系)の桜庭さんはけっこう独自。
 コバルト系は流石にほとんど読んだことがなく、なにとぞご容赦ください。
 次は電撃(角川系)の有川浩さんが・・。無理か・・。

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2008.01.24

三世相

三世相

『三世相 』


角川時代小説倶楽部 並木拍子郎種取帳
著者/訳者名 松井今朝子/〔著〕
出版社名 角川春樹事務所 (ISBN:978-4-7584-1098-4)
発行年月 2007年12月
サイズ 230P 20cm
価格 1,575円(税込)

 並木拍子郎のシリーズも3冊目になりました。
 この本の良さは、拍子郎の成長と恋が縦糸にきちんと通っていることですね。
 モラトリアム中の拍子郎が武家と町人の間で悩む姿が良い味を出しています。
 ググってみると、瀬川路考や並木五瓶などは実在の人物で歴史的にもちゃんと平仄が合うように作られているのですね。
 流石に松井さん本職であるそちらの方面の膨大な知識の上に物語が作られているんだなあと感心しました。

 ちょっと外れてしまいますが、この本を読んで、最近の宇江佐さんの本にピンとこないのは、恋がないからなのかもしれないなぁと思いました。

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2008.01.23

タルト・タタンの夢

タルト・タタンの夢

『タルト・タタンの夢 』

創元クライム・クラブ
著者/訳者名 近藤史恵/著
出版社名 東京創元社 (ISBN:978-4-488-01228-1)
発行年月 2007年10月
サイズ 212P 20cm
価格 1,575円(税込)

 『サクリファイス』ですっかり感心させられた近藤さんですが、この本は日常の謎を扱っていて、読みやすく、料理も美味しそうで、なんと言っても優しさに満ちています。すごく良い本です。
 ネタバレになりますので、コメントに書いておきますが、最後のお話「割り切れないチョコレート」は感動しました。
 是非続編を書いてもらいたいと思いました。

 この本も藍色さんのブログ「粋な提案」の書評を読んで図書館に予約を入れました。
 いつもありがとうございます。トラックバックを送らせてもらいました。

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2008.01.20

晩鐘 泣きの銀次 続

晩鐘 続・泣きの銀次

『晩鐘 続・泣きの銀次』

著者/訳者名 宇江佐真理/著
出版社名 講談社 (ISBN:978-4-06-214348-6)
発行年月 2007年11月
サイズ 272P 20cm
価格 1,785円(税込)

 と、いうわけで『泣きの銀次』を読み直して取り掛かった『晩鐘』でしたが・・。
 1997年に宇江佐さんの初長編として刊行された『銀次』から10年たって、お話もちょうど前作から10年後。
 銀次は2度の火事で小さくなってしまった小間物屋に専念しており、十手は同心表勘兵衛に返していました。
 40歳になり、子供も4人。すっかり岡っ引きから足を洗っていたのですが、一人の女性を助けたことから・・。

 10年ひとむかし、10年経つと人も変わります。そういう機微を描いてあるのでしょうが、どうも最近アンテナが低くなってしまったようで、うまく受信できません。
 残念です。

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2008.01.19

泣きの銀次

泣きの銀次

『泣きの銀次』

講談社文庫
著者/訳者名 宇江佐真理/〔著〕
出版社名 講談社 (ISBN:4-06-273037-5)
発行年月 2000年12月
サイズ 307P 15cm
価格 620円(税込)

 (再読) 記事
 『続泣きの銀次 晩鐘』を読むために再読しました。
 この本の発行から、10年を経て続編が出版されたわけですが、どうでしょうか?
 楽しみです。

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2008.01.18

愛についてのデッサン 佐古啓介の旅

愛についてのデッサン 佐古啓介の旅

『愛についてのデッサン 佐古啓介の旅』

大人の本棚
著者/訳者名 野呂邦暢/〔著〕
出版社名 みすず書房 (ISBN:4-622-08068-0)
発行年月 2006年06月
サイズ 256P 20cm
価格 2,625円(税込)

 『桜庭一樹読書日記』で傑作として紹介されていた本。
 私にはちょっと難しい・・。やはり、芥川賞系なのでしょうか?
 わからないながらも、とても読みやすい文章で、すごく好感を持ちました。
 とても好きなのですが、詩的なものがわからないので、10のうち1か2位しかわかっていない感じ。
 悔しいなぁ・・。でもバカなのは嘆いても直らないので・・。

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2008.01.17

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

『容疑者Xの献身』

著者/訳者名 東野圭吾/著
出版社名 文芸春秋 (ISBN:4-16-323860-3)
発行年月 2005年08月
サイズ 352P 20cm
価格 1,680円(税込)

第134回(2005年下半期)直木賞受賞作

 直木賞総なめ企画 第3弾

 東野さんの初読みになります。
 ほめる人が多いですね。ガリレオがTVドラマで放映されたため、読む人が増えているようにも感じます。
 自分も湯川学に福山雅治がかぶってしまって、そのイメージに随分引っ張られてしまいました。

 しかし、自分的にはどうしても納得が出来ないことがあり、この本が何故こんなに高い評価を受けているか
 理解できないというのが正直な感想です。
 感想は下のほうにありますが、ひどいネタバレなので、未読の方は絶対読まないでください。
 直木賞の選評などを見ると、本当に評価が高い本です。Amazonのレビューも良好です。
 自分にはどうも理解できません。
 自分がひどい思い違いをしている可能性もありますので、ご指摘いただけるとありがたいです。

 ちなみに第134回の候補作は

 東野圭吾 『容疑者Xの献身』
 伊坂幸太郎 『死神の精度
 荻原浩 『あの日にドライブ』
 恩田陸 『蒲公英草紙
 恒川光太郎 『夜市
 姫野カオルコ 『ハルカ・エイティ

 『あの日にドライブ』が未読ですが、既読分では 伊坂>恒川>姫野>恩田>東野 です。

 2008/10/12 (追記)

 知人から指摘を受けて、本書のトリックについての自分の批判が誤りであるとわかりました。

 思い違いから、いろいろ書いてしまいましたが、反省しています。 以下はコメントで(ネタバレあり注意)。


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桜庭一樹氏直木賞受賞!!

第138回(2007年後半)の直木賞に桜庭一樹氏の『私の男』が選ばれました。
桜庭さん、おめでとうございます。

大方の予想どおりということになっています。確かに年末から一部の人の間ではささやかれていたことではありました。そして、発表された候補作を見ると、どう考えてもこれは・・・。というラインナップではありました。

しかし、桜庭さんはライトノベル上がりの作家(っていうか、現在もライトノベルを書いている作家)であり、童話上がりの江国香織さん、少年向け上がりの森絵都さんなどともちょっと違う、直木賞の転機になる選出かもしれません。近いうちに谷川流さんの直木賞受賞もあるかも!?

 とにかく、桜庭さんおめでとうございます。1ファンとして素直に祝福しいたと思います。

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2008.01.11

剣嵐の大地 1

剣嵐の大地 1

『剣嵐の大地 1』

氷と炎の歌 3
著者/訳者名 ジョージ・R.R.マーティン/著 岡部宏之/訳
出版社名 早川書房 (ISBN:4-15-208772-2)
発行年月 2006年11月
サイズ 461P 20cm
価格 2,940円(税込)

 昨年の最大の積み残し『剣嵐の大地』に取り掛かりました。
 とにかく出てくる人、地名、エピソードが多く、前2巻分をすっかり忘れているため、取り掛かることができずにいましたが、年末年始の図書館の休業で読む本が少なくなり、一念発起して、とりあえず読み始めました。
 1冊読み終わって、やっとペースがつかめてきた感じです。
 それにしても、主要登場人物のすべてがより辛い苛酷な人生を歩み始めています。
 誰もが不幸せになるものが戦争なのでしょうか?
 主要登場人物、ケイトリン、ロブ、サンサ、アリア、ブランなどのスターク一家だけでなく、ティリオン、ジェイム、サーセイのラニスターの人々も苛酷な運命が待ち受けています。
 しかし、読むのに時間がかかる本です。既刊4冊を読み直してから読み始めるべきだったかと反省していますが、もう読み始めちゃったので後戻りもできません。少し時間を置いてから7冊通しで読みたいと思います。

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2008.01.09

第138回直木三十五賞候補作

平成19年度下半期分の直木賞候補作が発表されていました。

井上荒野    「ベーコン」(集英社)
黒川博行    「悪果」(角川書店)
古処誠二    「敵影」(新潮社)
桜庭一樹    「私の男」(文藝春秋)
佐々木譲    「警官の血」(新潮社)
馳 星周    「約束の地で」(集英社)

 今回は、文芸春秋社の本は桜庭さんの1冊だけです!!
 これは・・・!!自分的には約100%の確率で桜庭さんが受賞します。

 ラノベ上がりの作者が直木賞を取ると言うことになると・・・
 日本の文壇も大きく変わっていくのかもしれません。

 怖いのは、選考の皆さんがラノベっぽい文章を許容してくれないことですが・・。
 (本の雑誌1月号の書評をご参照ください)

 まあ、読んでいないのでなんとも無責任な話なのですが・・。

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2008.01.01

High and dry〈はつ恋〉

High and dry〈はつ恋〉

『High and dry〈はつ恋〉』

文春文庫 よ20-3
著者/訳者名 よしもとばなな/著
出版社名 文芸春秋 (ISBN:978-4-16-766703-0)
発行年月 2007年07月
サイズ 234P 16cm
価格 780円(税込)

 「よしもとばなな」さんの初読みです。
 どこかで紹介を読んで、最初の本はこれにしようと決めていました。
 すごくよい話で、よしもとさんの良さもよくわかりました。
 年末年始のばたばたの中で読んだせいか今ひとつ心に届いてこないところがありましたが、これは読んだ自分の責任で、誰にでも勧められる本当によい本だと思います。
 年末の最後の本が、納得がいかないものだったので、年初よい本から始められてほっとしています。
 誰だかわかりませんが、紹介してくれた方に感謝します。

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あけましておめでとうございます。 & 2007ベスト10

 先日、ほとんど書いてしまいましたが、ここで、2007年のベスト10を揚げておきます。

 (1)風が強く吹いている 三浦しをん 記事
 (2)ミーナの行進 小川洋子 記事
 (3)夜は短し歩けよ乙女 森見 登美彦 記事
 (4)スコーレNo.4 宮下 奈都 記事
 (5)守り人シリーズ 上橋 菜穂子 記事
 (6)ひとがた流し 北村 薫 記事
 (7)正義のミカタ―I’m a loser  本多 孝好 記事
 (8)赤朽葉家の伝説 桜庭 一樹 記事
 (9)ひなのころ 粕谷 知世 記事
 (10)渋谷に里帰り 山本 幸久 記事

 家人のベスト5も揚げます。

 Ak

 (1)フラワーオブライフ よしなが ふみ
 (2)神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く  石井 光太
 (3)風が強く吹いている 三浦しをん
 (4)永遠の出口 森 絵都 記事
 (5)毎日かあさん4 出戻り編 西原理恵子

 Ne

 (1)よつばと! あずま きよひこ
 (2)秒速5センチメートル 新海誠 記事
 (3)半分の月がのぼる空 橋本 紡
 (4)神様家族 桑島 由一
 (5)School Rumble 小林 尽

 2007年はベスト10を組めるほど良い本をたくさん読めて本当にいい年でした。
 2008年はどうなるでしょうか?皆様、良いお年を。

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