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となり町戦争

となり町戦争

『となり町戦争』

集英社文庫 み40-1
著者/訳者名 三崎亜記/著
出版社名 集英社 (ISBN:4-08-746105-X)
発行年月 2006年12月
サイズ 272P 16cm
価格 500円(税込)

 『バスジャック』から入ったため、自分は三崎さんに偏見があるようで、この本も、ネガティブな感想を受けました。
 三崎さんはすごい毒がある作家だと思います。
 この本が一般にこれほど受け入れられる理由がわかりません。
 こんなグロテスクな世界を、現実の隣に持ってきてしまう三崎さんの力には脱帽します。

 しかし、クィア座には笑った。これ、逃げてるつもりなの?
 これだけ毒まき散らかしておいて、この話はどっか遠い星の話で、日本の地方行政をばかにしたものじゃないんですよ~って??

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館島

館島

『館島』

ミステリ・フロンティア 16
著者/訳者名 東川篤哉/著
出版社名 東京創元社 (ISBN:4-488-01714-2)
発行年月 2005年05月
サイズ 318P 20cm
価格 1,785円(税込)

 これも桜庭さんの読書日記に紹介されていたものが、図書館にあったので借りてみました。
 岩合重力さんのカバーなのですが、これは本の内容とちょっと・・。
 「犬はどこだ」のときも思ったのですが、ちょっと重厚すぎるんですね。
 特に、この本は「本格」ですが、「コメディタッチ」(かなり空回りしている感じもしますが・・)なので、こんなに「館島!!!」って感じにしてしまうと、おどろおどろしい、八墓村っぽいものを想像してしまいませんか?
 以下の感想にはネタバレがありますので、未読の方はご注意ください。

 

 「砂楼に・・・」でも書いたとおり、このタイプのトリックはあまり好み出ないので・・。
 見取り図を見たときに、想像したとおりのトリックだったし・・・。

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砂楼に登りし者たち

砂楼に登りし者たち

『砂楼に登りし者たち』

ミステリ・フロンティア 14
著者/訳者名 獅子宮敏彦/著
出版社名 東京創元社 (ISBN:4-488-01713-4)
発行年月 2005年04月
サイズ 268P 20cm
価格 1,575円(税込)

 基本的に本格なのですが、題材を伝奇的な史実に取っていて、戦国時代の感じが良く出ていてなかなか楽しめました。
 桜庭さんの読書日記に記事があったので借りてみたのですが、実は、この手のトリックはあまり好きではありません。それでもこれだけ楽しめたのは、この話の伝奇っぽさが良い味を出しているのだと思います。

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桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。

桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。

『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。』

著者/訳者名 桜庭一樹/著
出版社名 東京創元社 (ISBN:978-4-488-02395-9)
発行年月 2007年07月
サイズ 283P 19cm
価格 1,680円(税込)

 楽しく読みました。桜庭さんはすごい読書家って言うか、完全に読書中毒患者です。
 147ページから引用すると・・

 これは、すごい。この世に傑作は存在するが、知らずにその書棚の前をなんども、なんども、なんども、フンフン鼻歌を歌いながら通り過ぎてしまうのだ。
 ばか、俺のばか。いつもの書店の棚にも、それらはまだ埋もれているのかもしれない、と思うと、たまらない気持ちになる。出会わないって、恐ろしいことだ。

 ・・・・・筋金入りである。

 編集のK島さん、Fさん、K野さんなど東京創元社の人たちを中心に、出てくる人たちもなかなかすごい人ばかり。特に、帰省先鳥取の書店の書店員さん。『エンジェル・エンジェル・エンジェル』の文庫版と箱入り原生林版を並べてある・・・と桜庭さんは、すらっと書いているが、自分は最近知ったのだがこの本については原生林版と文語版ではラストが相当違うようなのだ。

 また、この本では、同時進行で桜庭さんが書いているいくつかの本についても触れられています。
 特に、『私の男』についての記述は、作家さんてこんなに身を削って本を書いているんだ・・。と感心させられました。
 『私の男』は年末のミステリー関係のランキングや、ほんの雑誌のランキング(北上さんのエンタメ・ランキング)などでも非常に高い評価を受けいるので、うまくすると2007年下半期の直木賞を取れるかもしれません。

 とにかく、これは読まねば・・。という本がたくさん紹介されていましたので、この本はアマゾンへ発注しました。

 あと、書き忘れていましたが、この本を読むと、桜庭さんはMのような感じを受けます。
 米澤さんのHPを見た感じではSっぽい人のように思っていたのですが・・。

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借金取りの王子

借金取りの王子

『借金取りの王子』

著者/訳者名 垣根涼介/〔著〕
出版社名 新潮社 (ISBN:978-4-10-475002-3)
発行年月 2007年09月
サイズ 317P 20cm
価格 1,575円(税込)

 「君たちに明日はない」の続編。リストラ請負会社に勤める真介を通して、今回も様々な「崖っぷち」の人たちを描いています。
 デパガ、消費者金融、生保会社、ホテル・・・今回もそれぞれに面白く、楽しめました。
 登場人物たちがきちんと前向きに進んでいくところがとても良い。
 驚いたのは、S○Xシーンが無かったこと。垣根さんの本は2冊しか読んでいませんが、SE○描写がえぐいため次を読むのを敬遠してしまうところがありました。今回はそれがありませんでした。
 賞をねらえる本かな?と思いました。

 この本でも最後の章で触れられていますが、自分の職場にも派遣社員さんが沢山います。
 バブル崩壊後に急速に伸びた業種です。
 企業にとって、人件費は「下方硬直性」が強い費用です。一度雇った人を辞めさせたり、給料を下げたりすることは労働基準法や組合活動で強い制限を受けます。ですから、人件費は増やすのは簡単だけれど、減らすのは大変な費目になります。
 しかし、最近の経済関係の記事を見ていると、「日本における人件費の下方硬直性はなくなった」という記述が見受けられます。その大きな要因が派遣社員さんなってくるわけです。
 また、リストラや賃下げも一般的になってきています。
 ワーキングプアーが問題になってきていますが、こういった社会全体の雇用に対する考え方の変化がその大きな要因だと思います。
 (なんか、社会科のテストの回答みたいな文章だな~・・反省)

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号泣する準備はできていた

号泣する準備はできていた

『号泣する準備はできていた』


新潮文庫 え-10-12
著者/訳者名 江国香織/著
出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-133922-8)
発行年月 2006年07月
サイズ 233P 16cm
価格 420円(税込)

『2003年下半期直木賞受賞作』

 「直木賞総なめ企画」(笑)の一環で読みました。
 江国さんもはじめて読みますが、読みやすい文章ながらその奥行きの深さに感心しました。
 短編の見本みたいな文章です。短い中にいろいろなものを詰め込んでそれぞれが影響し合って一定の色が出てくるような・・。素敵です。惚れてしまいそう。
 もちろん、「号泣」することの準備が出来ていても「号泣」することはできない本当に孤独な魂を描き出している短編集なので、ハッピーエンドが大好きなお子様の僕にはちょっと難しすぎるようです。
 あと、妙に都会的で格好いいのもイヤ。知り合う男が外人か、海外旅行で知り合う日本人(笑)。
 バブル期ではあるまいし、ガジェットが妙にゴージャスなのもイヤ。
 本当に好きだった男の好きだったという描写がSEXがぴったりだったことが中心であるような・・孤独なんですね。

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赤目四十八滝心中未遂

赤目四十八滝心中未遂

『赤目四十八滝心中未遂』

文春文庫
著者/訳者名 車谷長吉/著
出版社名 文芸春秋 (ISBN:4-16-765401-6)
発行年月 2001年02月
サイズ 280P 16cm
価格 470円(税込)

『1998年上半期直木賞受賞作』

 映画化されたのは知っていましたが、あまり食指が動くような本ではありませんでした。
 どろどろした「情念の世界」って感じしますし、映画の主演が寺島しのぶさんだし・・。
 しかし、直木賞候補作で未読のものから少しずつつぶして行こうと思っていた一環で借りてみました。
 選評(Web上の非公式なものなのできちんとしているかは判りませんが)を読むと相当良い本らしいと思っていました。

 読んでみると、すごく濃密な語り口、映画的な切り取った画で感情を表現する技法が素晴らしいと思いました。すごい作家さんです。
 他の作家さんの文章がスカスカに思えるほど、濃い文章が続きます。「文学」とはこういうものなのかな?と思いました。
 車谷さんの本を再び手に取るかは判りませんが、読んで良かったと思っています。

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楽昌珠

楽昌珠

『楽昌珠』

著者/訳者名 森福都/著
出版社名 講談社 (ISBN:978-4-06-214346-2)
発行年月 2007年10月
サイズ 250P 20cm
価格 1,785円(税込)

 森福さんははじめて読みました。
 この本は中国を舞台にしたファンタジー。唐の武則天~玄宗の時代の物語ですが、韋后が出てこなかったり、玄宗を出しながら楊貴妃が出ないなど微妙に調整されているのかもしれません。中国史に蒙いのでよく解りませんが・・。
 お話としてはなかなか楽しい内容なのですが、ラスト近くになって「胡蝶の夢」の様に夢と現実のどちらが本当なのかはっきりしなくなっていきます。
 3人の主人公のうち、2人が「夢」だと思って行動しているのに、1人はそうだと思わず行動するためお互いの行動がかみ合わなくなったりします。なかなか面白い。
 全体としては、やや軽い感じ(所詮は夢の話ですから・・)は否めませんが、あんしんして読めるファンタジーです。

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死神の精度

死神の精度

『死神の精度』

著者/訳者名 伊坂幸太郎/著
出版社名 文芸春秋 (ISBN:4-16-323980-4)
発行年月 2005年06月
サイズ 275P 20cm
価格 1,500円(税込)

『2005年下半期直木賞候補作』

 ユニークな「死神」を出すことで、人の死という重いテーマを軽妙に描いています。
 最後はあざたく綺麗にまとめてきて、ホロリとさせられました。
 まだ2冊しか読んでいませんが、伊坂さんは少し斜に見る傾向があるようです。
 そこが格好いいんでしょうが、やや温度が低くなるようにも思えます。

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遠まわりする雛

遠まわりする雛

『遠まわりする雛』

著者/訳者名 米沢穂信/著
出版社名 角川書店 (ISBN:978-4-04-873811-8)
発行年月 2007年10月
サイズ 354P 20cm
価格 1,470円(税込)

 カバーの写真は、とてもきれいな並木道のように見えますが、道路に当たる部分も舗装されておらず、下草が茂っています。虔十公園林といった感じでしょうか。
 一番手前に、自動車のわだちが残っています。
 子供が小さいころ、毎週のように近くの河川敷の公園へ散歩に連れて行きました。
 公園といっても、グラウンドになっているところが多いのですが、整備があまりされないため、雑草が生い茂ることになります。
 春になると、たくさんの野草が花を咲かせます。特に、ニワゼキショウとコメツブウマゴヤシがお気に入りでした。
 河川敷のグラウンドですから、自動車が入り込むこともできます。
 雨でぬかるんだグラウンドに自動車が入ると、わだちがずっと残ります。そして、わだちのあとは雑草の伸びがはっきりわかるほど抑えられます。
 それを見て、小さな自然破壊に当時の自分が大いに憤ったことを思い出しました。

 釣りをするようになって、三保の飛行場下で釣りをすることがかなりあります。
 先端部分で釣りをする人の多くがジープタイプの車に乗ってきているようです。
 自分もここでのつりにはまっていた時は、ジムニーがほしいと思っていたものですが、それはやはり、自然破壊につながる行為だと思います。ここは十分な数の駐車場があり、歩いて5~10分で釣り場に着くことができます。
 便利なのはわかりますが、自然のおこぼれをいただいている釣り人ならその程度の妥協はすべきではないかと思います。


 以下はネタバレがありますので、未読の方は読まないでください。


 古典部シリーズの最新作、短編集になります。
 今までにもまして、折木奉太郎の小理屈がうざったく展開します。
 お話もまったくシニカルで、あ~やだなあ、ラストが暗い作家は・・・。と思いながら読んだのですが、それもこれもこのラストのためだったとは・・。
 やられました。
 文庫本の2冊を持っていますが、単行本の2冊も揃えておこうかと思っています。

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きつねのはなし

きつねのはなし

『きつねのはなし』

著者/訳者名 森見登美彦/著
出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-464502-8)
発行年月 2006年10月
サイズ 268P 20cm
価格 1,470円(税込)

 ホラー・・じゃなくて、伝奇?小説です。
 森見さんらしいギャクはなく、普通の(?)小説になっています。
 幻想的でちょっと怖く、なかなか良い出来だと思います。
 森見汁が薄いのが残念。

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渋谷に里帰り

渋谷に里帰り

『渋谷に里帰り』

著者/訳者名 山本幸久/著
出版社名 日本放送出版協会 (ISBN:978-4-14-005531-1)
発行年月 2007年10月
サイズ 242P 20cm
価格 1,470円(税込)

 楽しく読めました。
 やっぱり、山本さんは上手だと思います。
 この本も藍色さまの「書評」を読んで、図書館に予約を入れました。
 いつもありがとうございます。

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夕映え◆宇江佐真理

夕映え

『夕映え 』

著者/訳者名 宇江佐真理/〔著〕
出版社名 角川春樹事務所 (ISBN:978-4-7584-1095-3)
発行年月 2007年10月
サイズ 462P 20cm
価格 1,890円(税込)

 明治維新を市井の人の視線で描いている作品です。
 そういう意味では、価値があるのでしょうが、すこし盛り上がりに欠ける気がします。

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