« シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン | トップページ | 千年の黙 異本源氏物語 »

2007.08.06

万寿子さんの庭

万寿子さんの庭

『万寿子さんの庭』
万寿子さんの庭
著者/訳者名 黒野伸一/著
出版社名 小学館 (ISBN:978-4-09-386182-3)
発行年月 2007年04月
サイズ 299P 20cm
価格 1,470円(税込)

とても良いお話でした。
「夏の庭」の女性版なのでしょうか?

自分のようなおじさんには主人公の京子がとても好ましく感じましたし、
万寿子さんの傍若無人ぶりも天真爛漫でかたづけられることなのですが、
女性がこの本を読んだとき、同じように感じるのでしょうか?

この本には関係ありませんが、読んでいて思い出したことがありますので記しておきます。

父が亡くなってもう10年になります。その時の思い出です。
父は脳梗塞で倒れ、別居している私が病院に行ったときには、言葉はしゃべれない状態でした。
体も左側が動かない状態。右手は動くのではいていた紙おむつが見えないよう、
掛けていた毛布を直すことも出来ました。
その晩、母と私が病院に残って付き添ったのですが、
熱が出て、体がけいれんし、非常に悪い状態になりました。
母と私は、父の右手を握りしめて、おさまってもらいたいと必死に祈りました。
その時、父の親指が、私の親指を・・こう、なでるんです。
けいれんしてばたばたしている体の動きとはぜんぜん違う優しい動きで。

結局翌日の晩父はなくなったわけですが、斎場で父の骨を前にして、
手をつないでいた息子の親指が、私の親指をなでたときに、
父は、私や母の指をなでていたあの時に亡くなったのだなとわかりました。
その時になって、はじめて涙が流れてきたのを覚えています。

|

« シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン | トップページ | 千年の黙 異本源氏物語 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 万寿子さんの庭:

« シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン | トップページ | 千年の黙 異本源氏物語 »