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星月夜の夢がたり
著者/訳者名 : 光原百合/著 鯰江光二/絵
出版社名 : 文芸春秋 (ISBN:4-16-322970-1)
発行年月 : 2004年05月
サイズ : 158P 20cm
価格 : 1,500円(税込)
光原さん、こんな良い本を書いていたのですね。感動しました。
鯰江さんの絵も素晴らしい。特に光の扱いが出色です。
僕のような素人にもこの絵の素晴らしさはわかります。
もう、説明も何もなく、とにかく今年の暫定ベストです。
たくさんの人に読んでもらいたい本です。
奴の小万と呼ばれた女
著者/訳者名 : 松井今朝子/著
出版社名 : 講談社 (ISBN:4-06-210013-4)
発行年月 : 2000年04月
サイズ : 316P 20cm
破天荒な主人公「雪」がとても素敵で、良い本だと思います。
松井さんは2冊目ですが、自分的には、この本で諸田さんより
上になりました。ぼつぼつ読んでいきたいと思います。
印象に残ったのは、お雪が最後に里恭と会って、「・・・身どもは
死ぬまでに一度は天下万民のために力を尽くしてみたいと願う
ようになった。何か形に残る事を成し遂げたいと切に思うように
なった。」と聞かされたときに、お雪は「そのように仰せになる先生は、
あまり好きではありませぬ」と自分でも驚くほど強い調子で答える。
男が天下万民のためなどといいだすと、たいていろくなことにはならないのだ。
という部分です。
花まんま
著者/訳者名 : 朱川湊人/著
出版社名 : 文芸春秋 (ISBN:4-16-323840-9)
発行年月 : 2005年04月
サイズ : 264P 20cm
価格 : 1,650円(税込)
直木賞受賞作、本の雑誌で紹介されていたので、受賞前に
図書館の予約を入れていたため、割とタイムリーに読めました。
女房は「浅田次郎みたいな幽霊人情ものは嫌い」と一刀両断
にしていましたが、僕はこの本は好きです。
幽霊や生まれ変わり、妖精生物など超常なものを扱いながら、
それがあくまで脇役であることに好感を感じます。
なんと言っても僕たちも確かに経験したあの時代をとても上手く
描いていると思います。
芥川賞・直木賞はすっかり一つの「権威」になってしまい、
著者にあたえる影響も大きいため、特別な扱いをされるように
なっていますが、所詮一つの文学賞にすぎず、選考も恣意的で
とても公正平等な基準があるとは思えません。勿論、文学を
平等にはかる基準なぞあるはずがありませんので、それは非難
されるべきものではなく、この賞だけが特別な意味を
持ち始めていることに疑問を持っているだけです。
閑話休題、直木三十五の著書を読んだことがある人が、
どれだけいるんだろうか?僕は本自体見たこともありません。
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